丈比べに負けた由加山と鬼
高さ争いに大負けした由加山には、前述のとおり、悪者どもが住みつき、鬼の住家、鬼の洞窟となってしまった。
鬼どもは、夜な夜な人里におりて強盗を働き、女や子供をさらうという悪事の限りをつくした。
村の人は都へ鬼征伐を願い出た。時の御門は有名な坂上田村麻呂をつかわした。御門の命を受けた田村麻呂は山田に上陸し、神の峯(金甲山)の麓にあった円通寺の竜王さまにお願いして必勝を祈願したうえ、苦心さんたんした末、由加山の鬼を退治した。
「玉野の伝説」
著者:河井康夫
発行:昭和53年
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