与次郎のはなし
田井に与次郎谷というところがある。
昔、この谷に与次郎と呼ばれる山賊が住んでいて村の人たちに恐れられていた。そこには与次郎がいつも乗馬の練習をしていたという谷もあり、彼が外出するときには甲冑をつけ、弓や槍を持ち、馬に乗って駆けまわっていたという伝説がある。この話は今でも夜、子供が泣いていると、「与次郎が来るぞ」、ていって止めさせる風習があり、年寄りの間に今も残っている。
「玉野の伝説」
著者:河井康夫
発行:昭和53年
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