蓮糸曼荼羅
井蓮華庵には宝物として、県の重要文化財となっている不動明王画像をはじめ、金剛、胎蔵界曼荼羅、五大明王、弘法大師画像、釈迦ねはん図など立派な文化財がある。
その中に、中将姫が蓮の糸で織ったといわれる蓮糸曼荼羅があったといわれる。
毎年、春の社日に、これを開帳するので遠近から善男善女の参詣者が多かったのであるが、この珍しい蓮糸曼荼羅は各地の信者から望まれて、あちらこちらの寺々に貸し出している うち、いつの間にか普通の絹本のものと取り替えられ、今残っているのは本当の蓮糸の曼荼羅ではないという。 そうすれば近郊の寺院に、本物の蓮糸の珍しい曼荼羅が残っていることになるのだが・・。
「玉野の伝説」
著者:河井康夫
発行:昭和53年
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